トランプでリフレッシュ&スキルアップ

こんにちは。就労移行支援事業所のスタッフです。
日々の訓練や就職活動の合間に、心と体をリフレッシュすることは、安定して働き続けるために非常に重要です。今回は、先日行った余暇活動プログラムの様子と、その活動がもたらす効果についてお話ししたいと思います。
今回の余暇活動のテーマは「トランプ」。多くの方が子どもの頃から親しんできた、なじみ深いカードゲームです。参加された利用者さんたちには、まず二つのグループに分かれていただきました。
話し合いから生まれる協調性
活動を始めるにあたり、私たちは「どのゲームで遊ぶか」を各グループで話し合って決めてもらうことにしました。ただ単にゲームを楽しむだけでなく、この「話し合い」のプロセス自体が、大切なコミュニケーションの訓練となります。自分のやりたいゲームを提案する、他の人の意見に耳を傾ける、そして最終的にグループとしての合意を形成する。これは、職場においてチームで仕事を進める際の意見交換や意思決定の場面とよく似ています。
あるグループからは「神経衰弱がやりたい」、もう一方のグループからは「ババ抜きはどうだろう」といった声が上がりました。どちらのグループも和やかな雰囲気の中で話し合いが進み、全員が納得する形でゲームがスタートしました。お互いの意見を尊重し、楽しい時間を共有しようという気持ちが、自然なコミュニケーションを生み出していました。
楽しみながら鍛える記憶力と集中力
今回選ばれた神経衰弱やババ抜きは、単なる遊びにとどまらず、楽しみながら認知機能を高めるトレーニングにもなります。
例えば神経衰弱は、記憶力と集中力を同時に鍛えるのに最適なゲームです。どこにどの数字のカードがあったかを記憶する力は、仕事における複数の指示を覚えたり、業務の手順を記憶したりする際に直接役立ちます。また、他の人がめくったカードにも注意を払い、その情報を自分の記憶と統合していくプロセスは、注意力を持続させ、効率的に情報を処理する能力の向上につながります。ゲームが進むにつれて「あ、そのカードさっきあそこにあった!」と、集中力が高まっていく様子が見られました。
ババ抜きもまた、相手の表情や仕草から手札を推測する心理戦の要素があり、非言語的なコミュニケーション能力を養う機会となります。ポーカーフェイスを保ったり、逆に大げさなリアクションで相手を惑わせたりと、対人関係における駆け引きの面白さを体験できます。
心のリフレッシュと人とのつながり
こうした活動の最も大きな効果の一つは、心理的なリフレッシュです。訓練や就職活動では、時に緊張したり、難しさを感じたりすることもあるでしょう。そんな中で、頭を空っぽにして何かに夢中になる時間は、ストレスを軽減し、心を軽くしてくれます。
さらに、親しい仲間と共に楽しみを分かち合うことで、私たちの脳内では「オキシトシン」というホルモンが分泌されると言われています。このオキシトシンは「幸せホルモン」や「愛情ホルモン」とも呼ばれ、安心感を得たり、他者との愛着を形成したりする働きがあります。ゲーム中の笑い声や、うまくいった時のかけ声、励ましの言葉が飛び交う空間は、まさにこのオキシトシンの効果を体感できる時間です。人とのつながりを感じることで孤独感が和らぎ、精神的な安定につながります。これは、事業所というコミュニティで安心して過ごすための基盤となるだけでなく、就職後に新しい職場で良好な人間関係を築いていく上でも大切な感覚です。
私たちは、就労を目指す上で必要なスキルは、パソコンやビジネスマナーだけではないと考えています。仕事で疲れたり、ストレスを感じたりした時に、自分なりの方法で心身を回復させる「リカバリー」の能力も、同じように重要です。自由な時間をどのように使ってリフレッシュするか、その選択肢をたくさん持っておくことは、長く安定して働き続けるためのセルフケア能力と言えるでしょう。
今回のトランプのように、楽しみながら自然とコミュニケーションや集中力を養い、心のリフレッシュもできる。当事業所では、これからも様々な余暇活動を通じて、皆さんが自分らしいリカバリーの方法を見つけ、心身ともに健康な状態で社会へ羽ばたいていけるよう、サポートを続けてまいります。