カッとなる自分にサヨナラ!怒りの感情と上手く付き合う方法

アンガーマネジメントを身につけ、「怒り」の感情と上手く付き合っていこう
日々の生活や仕事の中で、思わずカッとなってしまったり、後から「どうしてあんな言い方をしてしまったのだろう」と後悔したりすることはありませんか。誰にでも「怒り」という感情はありますが、その感情に振り回されてしまうと、心身に不調をきたしたり、周囲との関係がぎくしゃくしてしまったりすることがあります。特に、安定して長く働くことを目指す上では、自分の感情と上手に付き合い、コントロールするスキルがとても重要になります。今回は、就労移行支援事業所でも注目されている「アンガーマネジメント」についてご紹介します。アンガーマネジメントとは、怒りの感情をなくすことではなく、怒りと上手に付き合うための心理トレーニングです。このスキルを身につけることで、より穏やかな気持ちで過ごし、円滑な人間関係を築く一助となるでしょう。
実は、私たちが「怒り」を感じる時、その感情が最初に生まれているわけではありません。多くの場合、怒りの背後には、別の感情が隠されています。例えば、「悲しい」「悔しい」「不安だ」「がっかりした」「寂しい」といった感情です。これらを「一次感情」と呼びます。これらの一次感情が心の中に溜まっていき、自分の中で抱えきれなくなった時に、「怒り」という「二次感情」として表面化するのです。つまり、怒りは自分の本当の気持ちを知らせるサインとも言えます。誰かに対して怒りを感じた時、「自分は今、本当は何を感じているのだろう?」と一歩立ち止まって考えてみることで、怒りの根本原因に気づき、自分自身を深く理解するきっかけになります。
怒りの感情をコントロールできずにいると、様々なデメリットが生じます。まず、身体的な影響として、強いストレスから頭痛や腹痛、不眠、血圧の上昇などを引き起こすことがあります。精神的にも、常にイライラしている状態は心を消耗させ、本人にとって大きな負担となります。また、怒りを他者にぶつけてしまうと、職場の雰囲気を悪くしたり、大切な人との信頼関係を損ねたりするなど、人間関係の悪化に繋がりかねません。仕事の面でも、怒りに気を取られて集中力が低下し、ミスが増えたり、業務の生産性が落ちたりすることもあります。このように、コントロールできない怒りは、自分自身だけでなく、周囲にもストレスを与え、安定した社会生活を送る上での妨げとなってしまうのです。
そこで当事業所では、自己理解を深めるプログラムの一環として、アンガーマネジメント講座を実施しています。この講座は前編と後編に分かれており、段階的にスキルを学んでいきます。まず前編では、自分自身の「怒りのタイプ」を知ることから始めます。怒りの感じ方や表し方は人それぞれであり、個人差が大きいものです。ある人は些細なことでカッとなりやすいかもしれませんし、またある人は怒りを表に出さずに溜め込んでしまうタイプかもしれません。講座では、どのような出来事や言葉にイラっとしやすいのか、怒りを感じた時にどのような行動をとりがちなのか、といった自分の癖や傾向を客観的に分析していきます。自分の怒りのパターンを理解することは、効果的な対策を立てるための重要な第一歩です。
アンガーマネジメント講座の後編では、前編で深めた自己理解を基に、怒りの感情と上手く付き合うための具体的な実践方法を学んでいきます。例えば、怒りを感じた時に衝動的な言動を防ぐため、心の中で6秒数えるテクニックや、一度その場を離れて冷静になる方法など、すぐに実践できるスキルを学びます。また、物事の捉え方を変える「リフレーミング」という手法も学びます。これは、怒りの原因となった出来事を別の視点から見ることで、感情を和らげる考え方です。講座では、こうした知識を学ぶだけでなく、様々な状況を想定したロールプレイングなどを通じて、実践的にトレーニングを行います。これらのスキルを身につけることで、怒りに振り回されるのではなく、自分が感情の主導権を握れるようになり、職場や日常生活でのコミュニケーションをより円滑に進める自信に繋がっていくでしょう。もしご興味がありましたら、ぜひ一度お問い合わせください。