急ぐ人ほどミスをする? ~スピードと正確さ、どちらを優先すべきか~

こんにちは。就労移行支援事業所チャレンジドジャパン北上センターです。
朝晩はめっきり冷え込むようになりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか
さて、当事業所では定期的に就職活動に役立つ知識を学ぶ「就職準備セミナー」を開催しています。先日行ったセミナーでは、「企業が求める人材」というテーマを取り上げ、参加された利用者さんと共に理解を深めました。今回は、そのセミナーの中でお伝えした大切なポイントの一つを、ブログをお読みの皆様にもご紹介したいと思います。
企業が本当に求めている人材とは?
就職を目指すとき、「仕事はテキパキとスピーディーにこなせないといけない」というイメージを持っている方は多いのではないでしょうか。もちろん、速く仕事ができることは一つの強みです。しかし、多くの企業がそれ以上に重視している能力があります。
それは、「スピードは多少ゆっくりでも、正確に業務を行える」という力です。
意外に思われるかもしれませんが、これは多くの企業の人事担当者が口をそろえておっしゃることです。なぜ企業は、スピードよりも「正確さ」を求めるのでしょうか。それは、仕事におけるミスの影響を考えるとよく分かります。
もし、スピードを優先するあまりミスをしてしまうと、そのミスを修正するために余計な時間と労力がかかってしまいます。場合によっては、自分だけでなく、他の社員の手を止めさせてしまうこともあります。一つのミスが、チーム全体の業務効率を下げてしまう原因にもなりかねないのです。
一方で、一つひとつの業務を丁寧に、確認しながら正確に行うことができれば、手戻りが発生しません。結果的に、業務はスムーズに進み、安定した成果を出すことができます。時間はかかったとしても、最終的には質の高い仕事につながり、周囲からの信頼も得られます。そして、業務に慣れてくれば、正確さを保ったまま自然とスピードも上がっていくものです。だからこそ、企業はまず土台となる「正確さ」を非常に重要視しているのです。
「正確さ」を身につけるための訓練
当事業所では、この「ミスなく正確に行う」という意識とスキルを養うための様々な訓練プログラムを用意しています。例えば、パソコンを使ったデータ入力や書類作成、あるいは倉庫での作業を想定したピッキング訓練などがあります。
これらの訓練では、ただ作業をこなすだけではなく、「どうすればミスを防げるか」「どうすればもっと正確にできるか」を常に考えながら取り組むことを大切にしています。指示された内容を正確に理解しているか確認する、作業手順を自分なりにメモにまとめる、作業の区切りごとに見直しを行うなど、地道な工夫を重ねていきます。
最初は時間がかかったり、難しく感じたりするかもしれません。しかし、こうした一つひとつの訓練への取り組みが、仕事の現場で求められる「正確さ」の土台を築き上げていくのです。
ミスと向き合い、対策を立てる力
そうは言っても、「絶対にミスをしない人間」はいません。どんなに気をつけていても、誰にでも間違いは起こり得ます。本当に大切なのは、「ミスをしないこと」そのものよりも、「自分のミスの傾向を理解し、それを防ぐための対策を自分で考え、実行できること」です。
ミスを過度に恐れて、新しいことに挑戦できなくなってしまっては本末転倒です。むしろ、訓練の中で起きたミスは、自分を知るための貴重なヒントになります。
当事業所の訓練に取り組む中で、「自分は数字の書き写しで間違いやすいな」「急いでいると、大事な部分を読み飛ばしてしまう癖があるな」といった、自分自身のミスの傾向に気づくことができます。
自分の傾向が分かれば、具体的な対策を立てることが可能になります。例えば、「入力した後は、必ず声に出して読み合わせをする」「重要な指示にはマーカーを引いて、作業前に再確認する」「セルフチェックの後に、スタッフにダブルチェックをお願いする」といった、自分に合ったミス防止策を考え、試していくのです。
このように、自分の特性と向き合い、ミスを減らすための工夫を主体的に行える力は、企業からも高く評価される重要なスキルです。私たちは、皆さんが訓練を通して自分なりの対策方法を見つけられるよう、一人ひとりに合わせてサポートしています。
就職とは、企業が求める力と、ご自身の強みや特性をうまく結びつける活動です。当事業所での日々の訓練を通して、「正確に業務をこなす力」や「ミスへの対策を立てる力」といった、仕事で活かせる確かな力を一緒に育んでいきませんか。
ご自身のペースで、自信を持って就職活動に臨めるよう、スタッフ一同、全力で応援します。事業所の雰囲気や訓練内容に少しでも興味を持たれた方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
見学・体験お待ちしてます。