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未経験から事務職へ!自閉スペクトラム症のある方の就職者インタビュー

未経験から事務職へ!自閉スペクトラム症のある方の就職者インタビュー

今回は、未経験の分野であった事務職への就職を見事に決められた卒業生の方に、就職活動の道のりについてお話を伺うことができました。障がいと向き合いながら、どのようにして希望の就職を叶えたのか、その貴重な経験談をご紹介します。これから就職を目指す方々にとって、きっと大きな希望となるはずです。

就職先と業務内容について

今回お話を伺ったのは、自閉スペクトラム症の診断を受けている方です。ご自身の特性を理解し、自分に合った働き方を見つけるために、私たちの事業所でトレーニングを重ねてこられました。

そしてこの度、未経験から事務職として採用が決まりました。配属先で担当される予定の業務は、書類の印刷や管理、仕分け、スキャンしてPDF化する作業、パソコンでのデータ入力、さらには職場内を巡回して行う軽作業など、非常に多岐にわたります。未経験からのスタートでありながら、これだけ多くの業務を任されるということは、企業からの期待の大きさを感じさせますね。ご本人の真面目な人柄と、トレーニングで培った丁寧な作業遂行能力が高く評価された結果だと、私たちスタッフも大変嬉しく思っています。

通所から就職までの道のり

チャレンジドジャパンに通所された期間は8ヶ月間でした。しかし、最初から順風満帆だったわけではありません。新しい環境に慣れるまでには、およそ1ヶ月ほどの時間が必要だったと振り返っておられます。

多くの方がそうであるように、新しい場所や人間関係に飛び込むことには、大きなエネルギーと勇気がいります。特に、環境の変化に敏感な特性をお持ちの場合、心身ともに疲れを感じやすいものです。ご本人も、まずは事業所の雰囲気に慣れ、自分のペースを掴むことから始めました。私たちは、ご本人が安心して通えるように、日々の体調や気持ちの変化に耳を傾け、通所日数や訓練内容を一緒に調整しながらサポートを行いました。焦らず、一歩一歩着実に進んでいく。その積み重ねが、安定した通所と、その後の就職活動の成功に繋がったのだと感じています。

トレーニングで力を入れたこと

通所期間中、特に力を入れて取り組んだこととして挙げてくださったのが、「コミュニケーションの取り方」でした。

働く上では、業務スキルと同じくらい、周囲との円滑なコミュニケーションが重要になります。「報告・連絡・相談」は、どの職場でも基本となりますが、どのタイミングで、誰に、何を、どのように伝えれば良いのか、迷ってしまう場面は少なくありません。ご本人も、自分の考えを整理して相手に分かりやすく伝えたり、相手の指示の意図を正確に汲み取ったりすることに難しさを感じていました。

そこで、チャレンジドジャパンでは、コミュニケーション講座を通じて、具体的な場面を想定したロールプレイングを繰り返し行いました。曖昧な指示を受けた際の確認の仕方、業務の進捗報告の練習、困ったときのSОSの出し方など、実践的なスキルを一つひとつ学んでいきました。

その他にも、ビジネスマナー講座への出席や、模擬的な事務作業、軽作業トレーニングなど、幅広いプログラムに積極的に参加されました。これらのトレーニングは、単にスキルを習得するだけでなく、他の利用者の方と協力したり、スタッフに質問したりする絶好のコミュニケーションの実践の場となりました。日々の訓練の中で「やってみる、失敗する、振り返る、また挑戦する」というサイクルを繰り返したことが、大きな自信に繋がったことでしょう。

これから就職を目指す方々へ

最後に、今まさに就職を目指して頑張っている方々へ、心強いメッセージをいただきました。

「就職できるのか心配でしたが、チャレンジドジャパンのトレーニングを通じて働く際に必要なコミュニケーションの取り方等を学べました。就職ができるまでは不安だと思いますが、焦らずに就職活動を頑張ってください。」

ご本人も、活動中は「本当に就職できるのだろうか」という大きな不安を抱えていたと語ってくださいました。その素直な言葉は、同じように悩んでいる多くの方々の心に響くのではないでしょうか。しかし、その不安な気持ちから目を逸らさず、自分の課題と向き合い、トレーニングを続けた結果が、今回の素晴らしい結果に結びつきました。

「焦らずに」という言葉には、ご自身の経験からくる深い実感がこもっています。就職活動は、他人と比べるものではありません。自分のペースで、自分に合った場所を見つけるための大切なプロセスです。

就職おめでとうございます!

ご本人が安心して働き続けながら、職場でますます活躍できるよう、私たち職員一同、これからも全力で応援しています。この記事を読んでくださった皆様の就職活動にも、明るい光が差すことを心から願っています。