もしもの時に備える!救命講習体験~命を守る第一歩~
こんにちは。就労移行支援事業所、チャレンジドジャパン北上センターです。
日々の訓練では、就職に向けたパソコンスキルやビジネスマナーなどを学んでいますが、社会に出て働くということは、職場の一員として、そして地域社会の一員としての役割を担うことでもあります。そこで今回は、万が一の事態に備え、自分や周りの人の命を守るための知識と技術を学ぶ機会として、休日開所の日に救命講習を実施いたしました。
いつ、どこで、誰がそのような状況に遭遇するかは誰にも予測できません。職場や通勤途中、あるいはプライベートな時間かもしれません。もし目の前で人が倒れたとき、自分に何ができるのか。その「いざ」という時のために、正しい知識を身につけておくことは、社会人として非常に大切な心構えの一つです。今回は、北上地区消防組合様にご依頼し、講師の方をお招きして「救命入門コース」の講習を開催しました。利用者さんとスタッフが一緒に参加し、真剣な雰囲気の中で講習がスタートしました。
救急車が来るまでにできること
講習の冒頭で、講師の方から救命処置の重要性についてお話がありました。心停止など、命に関わる緊急事態が発生した場合、救急車が到着するまでには全国平均で約9分かかると言われています。この数分間、何もしないで待っているのと、その場に居合わせた人がすぐに救命の手当てを始めるのとでは、救える命の可能性が大きく変わってきます。
脳は心臓が止まってから数分で重大なダメージを受け始めるとされており、救急車が到着するまでの「空白の時間」をいかに過ごすかが、その後の回復を大きく左右するのです。だからこそ、専門家ではない私たち一般市民が、勇気を出して最初の一歩を踏み出すことが何よりも重要になります。今回の講習は、その「一歩」を踏み出すための知識と自信を得ることを目的としています。
人形を使った実践トレーニング
講習では、まず胸骨圧迫のやり方について学びました。訓練用の人形を使い、講師の方から正しい圧迫の位置、手の組み方、姿勢などを丁寧に教わりました。「強く、速く、絶え間なく」を合言葉に、実際に胸骨圧迫を体験してみると、想像以上の力と体力が必要であることがわかります。「1分間に100回から120回」というリズムを保ちながら、約5センチ沈むように圧迫を続けるのは非常に大変な作業です。参加者同士で交代しながら、救急隊に引き継ぐまで続けることの大切さを身をもって学びました。
次に、AED(自動体外式除細動器)の使い方について学びました。最近は駅や公共施設、商業施設など、様々な場所に設置されていますが、実際に使い方を知っている人は少ないかもしれません。講習では、訓練用のAEDを使い、電源を入れるところから実践しました。AEDは、電源を入れると音声ガイダンスが流れ、次に何をすべきかを一つひとつ指示してくれます。その指示に従って、電極パッドを人形の胸に貼り付けると、機械が自動的に心臓の状態を解析します。電気ショックが必要と判断されれば、点滅するボタンを押すよう指示が出ます。一連の流れを体験することで、AEDの操作は決して難しいものではなく、音声の指示に落ち着いて従えば誰でも使えるということを実感できました。
アンケートには「AEDは思っていたより簡単に操作できることを知れてよかった。」、「AEDの使い方や胸骨圧迫の仕方など学ぶことができたのでよかった。」などの感想もあり、参加できてよかったという声が多くありました。

今回の講習は、単に技術を学ぶだけでなく、「自分にも命を救う手助けができるかもしれない」という自信と、他者を思いやる気持ちを育む貴重な機会となりました。
今後も様々な学びが得られるように、講座や活動を実施していきます。トレーニングや学びを得てから就職したいという方は、ぜひお問い合わせください。