リワーク支援で職場復帰を目指そう!リワーク支援の1日を紹介!

就職が決まり、新しい環境で働き始めるとき、誰もが「この職場で長く、安定して働きたい」と願うことでしょう。日々の業務に励み、キャリアを積み重ねていくことは、大きな喜びや自信につながります。しかし、仕事内容や職場の人間関係、ご自身の体調の変化など、様々な要因が複雑に絡み合い、意図せず心身のバランスを崩して休職に至ってしまう方もいらっしゃいます。一度お休みに入ると、「元の職場に戻れるだろうか」「また同じように働けるだろうか」といった不安を感じることも少なくありません。今回は、そうした休職期間を経て、再び職場へ戻るための「リワーク支援」について、当事業所での事例を交えながらご紹介します。
リワーク支援とは
一般の企業で就労している障害のある方が休職された場合、復職に向けて準備を整えるために、就労移行支援事業所などの就労系障害福祉サービスを利用できる制度があります。これを一般的に「リワーク支援」と呼んでいます。リワーク支援の目的は、単に職場に戻ることだけではありません。安心して職場に復帰し、その後も安定して働き続けるための土台を作り直すことにあります。具体的には、生活リズムの再構築、業務に必要な体力や集中力の回復、職場でのコミュニケーションスキルの再確認など、一人ひとりの状況に合わせた支援を行います。主治医や勤務先の企業とも連携しながら、スムーズな復職を目指す大切な期間となります。
復職を目指した方の1日を紹介
ここでは、実際に当事業所のリワーク支援を利用し、見事に職場復帰を果たした方の事例をご紹介します。この方は、休職期間中に今後の働き方について考え、安定した復職を目指すために当事業所の利用を開始されました。
とある1日ではありますが、以下のように訓練に取り組んでいました。
利用者の1日
1コマ目:作業依頼 (告知物の作成)
2コマ目:作業依頼(ラミネート作業)
3コマ目:自己理解講座
4コマ目:データ入力
訓練内容については、ご本人の復職後の業務を具体的にイメージし、事業所スタッフが実際の仕事に近い業務を切り出して提供しました。例えば、訓練で使用するスケジュール表やピッキングリストの作成など、実践的な作業に取り組みました。これらの訓練を通して、業務遂行能力や作業の段取りを組む感覚を少しずつ取り戻していきました。
また、単に作業を行うだけでなく、職場での円滑なコミュニケーションを意識した関わりも重要視しました。訓練中、分からないことがあればスタッフに質問する、作業の進捗を途中で報告する、そして完了したらきちんと終了報告をするといった、いわゆる「報連相」を実践的に繰り返しました。これは、実際の職場で求められる基本的なスキルを再確認し、自信を持って復職するための大切なステップとなりました。
ご本人の努力と安定した通所により、体調も徐々に上向き、数か月後には週5日、終日訓練に参加できるまでに回復されました。この間、ご自身の体調の変化については、常に事業所スタッフや主治医と共有し、相談しながら進めていきました。そして、復職の具体的な時期については、主治医のご意見を伺い、さらに勤務先の産業医とも相談の上で慎重に決定されました。
このように、ご本人、事業所、医療機関、そして企業が連携して準備を進めた結果、利用開始から約半年後、無事に元の職場へ復職を果たすことができました。
リワーク支援の利用を検討されている方へ
今回ご紹介したように、リワーク支援は休職からのスムーズな復帰を後押しする有効な手段の一つです。もし、現在休職中で復職に不安を感じている方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度このような支援の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
ただし、リワーク支援を利用するためには、いくつかの手続きが必要となります。まず、在籍されている企業からの同意を得ること、そしてお住まいの市区町村の障害福祉担当窓口へ相談し、サービスの利用申請を行う必要があります。利用までの流れやご自身が対象となるかどうかなど、ご不明な点も多いかと思います。少しでも興味をお持ちになりましたら、まずはチャレンジドジャパンまでお気軽にお問い合わせください。スタッフが丁寧にお話を伺い、復職に向けた第一歩を一緒に考えさせていただきます。