その常識、あなたを苦しめてない?あなたを苦しめる「常識」を見直そう

こんにちは。チャレンジドジャパン仙台中央センターです。
私たちは日々、多くの方々と関わる中で、「これは常識だ」「当たり前のことだ」と感じる場面に遭遇します。しかし、少し立ち止まって考えてみると、その「常識」は、本当に誰にとっても共通の認識なのでしょうか。もしかしたら、自分だけの、あるいは非常に限られた範囲だけの「常識」なのかもしれません。今回は、自分自身を縛り付けてしまう可能性のある「自分の常識」について、一緒に考えてみたいと思います。
出来事をどう受け止めるかで感情は変わる
何か出来事が起こったとき、私たちは様々な感情を抱き、それに基づいて行動します。しかし、実はその感情や行動は、出来事そのものが直接引き起こしているわけではありません。同じ出来事を経験しても、人によって全く異なる反応を示すことがあります。その違いはどこから生まれるのでしょうか。それは、その出来事をどのように受け止めたか、つまり、その人の「ものの見方」や「考え方」に大きく左右されるのです。
例えば、職場で上司から資料の修正を指示されたとします。ある人は、「自分の能力が低いからだ。やっぱり自分は仕事ができないんだ」と考え、ひどく落ち込んでしまうかもしれません。一方で、別のある人は、「より良い資料にするためのアドバイスをもらえた。次に活かそう」と考え、前向きな気持ちで修正作業に取り組むかもしれません。起きた出来事は「修正を指示された」という一つだけです。しかし、それを「否定された」と受け止めるか、「成長の機会」と受け止めるかによって、その後の感情も行動も全く違うものになるのです。私たちの心の中で起こるこのプロセスが、日々の悩みや気分の浮き沈みに深く関わっています。
その「常識」、あなたを苦しめていませんか?
私たちの「ものの見方」や「考え方」には、これまでの経験や学びから形成された、自分なりの「常識」や「思い込み」が深く根付いています。例えば、「仕事でミスは絶対にしてはならない」「人に頼るのは迷惑なことだ」「常に完璧でなければ評価されない」といった考え方です。これらは一見、真面目で責任感の強い姿勢のように思えますが、もしこの「常識」が現実的でなかったり、極端すぎたりすると、かえって自分自身を苦しめる原因となります。
「絶対に~すべき」「~でなければならない」という強い思い込みは、私たちをがんじがらめにし、心に柔軟性を失わせます。その結果、ほんの些細な失敗で必要以上に自分を責めてしまったり、一人で抱え込みすぎて燃え尽きてしまったりするのです。また、このような思い込みは、自分の気持ちや意見を正直に、かつ相手を尊重しながら伝える「アサーティブなコミュニケーション」を難しくさせます。「相手を不快にさせてはいけない」という思い込みが強すぎると、断るべき場面で断れなかったり、自分の正当な意見を言えずに我慢してしまったりすることにつながります。
誰かの「常識」に縛られる必要はない
私たちの持つ「常識」は、生まれ育った家庭環境、学校の先生からの教え、友人関係、あるいは社会全体の風潮など、様々なものから影響を受けて形作られてきました。それは、私たちが社会で生きていくための指針のような役割を果たしてきたことでしょう。しかし、過去に誰かから教えられたり、身につけたりした考え方が、現在の自分にとって、あるいはこれから働いていく上で、必ずしも有益であるとは限りません。むしろ、自分や誰かを苦しめる重荷になっているのであれば、その思い込みは打ち破ってもいいのです。
チャレンジドジャパンのプログラムの中でも、グループワークなどを通じて他の利用者さんの意見を聞く機会があります。そうした場で、「自分では当たり前だと思っていたけれど、全く違う考え方があることに驚いた」「自分だけがこう感じているわけではないと知って安心した」といった声がよく聞かれます。多様な価値観に触れることで、今まで自分が囚われていた「常識」が、決して絶対的なものではないことに気づくこともあります。あなた自身の心地よさや、健やかに働くことを基準に、新しい考え方を選び直す自由があることも知ってくださいね。
自分の「常識」を打ち破る勇気
これまで当たり前だと信じてきた自分の「常識」を疑い、見直すことには、少し勇気がいるかもしれません。しかし、その一歩を踏み出すことで、世界が違って見えることがあります。それは、より楽に、より自分らしく生きるための大切なプロセスです。では、どうすれば自分の「常識」という枠組みから自由になれるのでしょうか。
まずは、何か考えが頭に浮かんだときに、「これは本当にそうなのだろうか?」「他の考え方はないだろうか?」と、自分に問いかけてみる癖をつけることです。そして、信頼できる人に自分の考えを話してみるのも良い方法です。私たちの事業所のような場所では、スタッフや他の利用者さんといった、様々な視点を持つ人々と対話することができます。自分一人では気づけなかった別の見方や、より現実的で柔軟な考え方に出会えるかもしれません。自分の「常識」という壁を少しずつ打ち破り、視野を広げていくことで、働き方や人との関わり方、そして生き方の選択肢は格段に広がっていきます。あなたの可能性を狭めている「常識」の扉を、一緒に開いていきませんか。