面倒な日報が、実は成長の近道だった話 日報は自己分析と成長のためのツール

こんにちは。就労移行支援事業所チャレンジドジャパンです。
皆さんは「日報」と聞くと、どのようなイメージをお持ちでしょうか。会社で働いた経験のある方にとっては、毎日の業務終了後に作成していた馴染みのある書類かもしれません。一方で、なぜ毎日書かなければならないのか、少し面倒に感じていた方もいらっしゃるかもしれません。今回は、この日報を作成する意味と、その大切な目的について、改めて考えてみたいと思います。
日報とは?その基本的な役割
日報とは、その日に行った業務内容や進捗状況、そこで見つかった課題や気づきなどを報告し、記録するための書類です。一日の仕事の終わりに、その日の活動を簡潔にまとめて提出するのが一般的です。単に「何をしたか」をリストアップするだけの作業報告書とは異なり、日報は自分自身の行動を客観的に振り返り、次へと繋げるための重要なツールとしての役割を持っています。書くという行為を通して、頭の中で漠然としていた思考が整理され、自分の一日をより深く理解することにつながります。
日報を作成する大きな目的
では、なぜ多くの企業で日報の作成が求められるのでしょうか。その目的は大きく分けて、業務の振り返り、進捗管理、そして情報共有にあります。まず、業務の振り返りについてです。日報を書くことで、その日一日、何が計画通りに進み、どこで想定外に時間がかかったのか、また、どのような工夫でうまくいったのかを具体的に思い返すことができます。成功体験だけでなく、失敗や課題も正直に書き出すことで、「次はこうしてみよう」という改善策が生まれ、自身の成長の糧となります。次に、進捗管理の目的です。日々の業務は、多くの場合、長期的な目標やプロジェクトの一部です。日報を記録し続けることで、大きな目標に対して自分が今どの地点にいるのか、計画通りに進んでいるのかを常に確認できます。もし遅れが生じている場合でも、日報を見返すことで原因を早期に特定し、対策を講じることが可能になります。そして最後に、情報共有の目的です。日報は、上司やチームの同僚に対して、自分が現在どのような業務に取り組んでいるのかを正確に伝えるためのコミュニケーションツールです。自分が抱えている課題を共有すれば、周囲から的確なアドバイスやサポートを得やすくなります。また、チーム全体で日報を共有することで、業務の重複を防ぎ、より円滑な連携を生み出すことにも繋がります。
チャレンジドジャパンにおける日報の活用
実は、ここチャレンジドジャパンでも、利用者の皆さんには日々の訓練の終わりに日報を作成していただいています。もちろん、一般企業の業務日報とは少し目的が異なります。チャレンジドジャパンでの日報は、就職という目標に向けた自己管理能力と自己理解を深めるための大切な訓練の一環です。まず重要なのが、その日の体調や気分の波を記録し、スタッフと共有することです。安定して長く働き続けるためには、自分自身のコンディションを把握し、適切に管理するスキルが不可欠です。日報に体調を記録する習慣をつけることで、自分の心身の状態を客観視し、セルフケアに繋げる練習になります。また、その日に取り組んだ訓練内容、そこで学んだこと、難しかった点、疑問に思ったことなどを具体的に書き出します。私たちスタッフは、皆さんが書いた日報に毎日目を通し、一人ひとりの理解度や課題を把握します。それをもとに、個別のフィードバックを行ったり、翌日以降の訓練計画を調整したりと、より効果的なサポートを提供するための貴重な情報源として活用しています。そして何より、日報を書き溜めていくことは、自分自身の成長や変化を確認するための記録となります。数ヶ月前の日報を読み返したとき、「以前はこんなことで悩んでいたのか」「こんなこともできるようになったんだ」と、自分の進歩を具体的に実感できるはずです。この成長の実感は、自信となり、就職活動へのモチベーションを維持する大きな力になります。過去の記録を見返す作業は、自分の得意なことや苦手なこと、必要な配慮などを整理し、面接の場で自分の言葉で伝えるための準備にも繋がります。
日報は、誰かに強制されて書く「義務」ではなく、目標達成に向けて自分自身を助け、成長を促すための強力な「権利」であり「ツール」です。進捗管理や情報共有のツールとして日報をうまく活用し、日々の訓練や業務の効率を上げていきましょう。