言いたいこと、上手に伝えてる?自分も相手も大事にする伝え方
Recently updated on 10月 22nd, 2025 at 09:51 am

チャレンジドジャパン山形センターで身に付けるアサーション
皆さんは、自分の意見や気持ちを相手に伝えるとき、どのようにしていますか。「相手を傷つけてしまうかもしれない」「嫌われたらどうしよう」と考えて、言いたいことを我慢してしまった経験はありませんか。あるいは、つい強い口調で主張してしまい、後から気まずい思いをしたことはないでしょうか。
職場や日常生活において、人とのコミュニケーションは欠かせません。しかし、このコミュニケーションがストレスの原因になってしまうことも少なくありません。もし、自分の気持ちを正直に伝えながら、相手との良好な関係も保つことができたら、もっと楽に、自分らしくいられるはずです。
今回は、そのような理想的なコミュニケーションを実現するための考え方でありスキルである「アサーション」についてご紹介します。チャレンジドジャパン山形センターでは、このアサーションを身に付けるためのトレーニングを行っています。
自分も相手も大切にする自己表現、アサーションとは?
アサーションとは、ひと言でいえば「自分も相手も大切にした、誠実で対等な自己表現」のことです。自分の意見や要求、気持ちなどを率直に伝えつつも、相手の気持ちや考えを尊重し、配慮することを目的としています。
私たちのコミュニケーションのスタイルは、大きく三つに分けられると言われています。一つは、自分の意見を抑え込み、相手の言うことに従ってしまう「非主張的(ノンアサーティブ)」なスタイル。もう一つは、自分の意見を一方的に押し通そうとする「攻撃的(アグレッシブ)」なスタイルです。
アサーションは、このどちらでもありません。自分の主張はしっかりと行いますが、それは相手を打ち負かしたり、言いなりにさせたりするためではありません。お互いの考えを伝え合い、理解を深め、より良い解決策を見出すためのコミュニケーションです。相手を傷つけずに自分の思いを伝える、まさに上手なコミュニケーション方法なのです。このスキルを身に付けることで、対人関係のストレスが軽減され、自己肯定感を高めることにも繋がります。
アサーションを支える4つの土台
では、どうすればアサーティブなコミュニケーションができるようになるのでしょうか。アサーションには、その考え方と行動を支えるための土台があります。チャレンジドジャパン山形センターの講座では、この土台となる部分から丁寧に学んでいきます。
まず大切なのが、基本的アサーション権の理解です。これは、「誰もが自分の意見や感情を持ち、それを表現する権利がある」という考え方です。もちろん、この権利は自分だけでなく、相手にもあります。私たちは誰でも、自分の考えを表明して良いのです。この基本的な権利を自分自身と相手に対して認めることが、アサーションの出発点となります。
次に、自己信頼と他者信頼が土台となります。自己信頼とは、自分の考えや感情は価値のあるもので、表現して良いのだと信じることです。自分の気持ちに蓋をせず、まずは自分で受け止めてあげることが大切です。そして他者信頼とは、相手も自分の考えを述べることができ、たとえ意見が違っても、話し合えば理解し合えるはずだと信じることです。この二つの信頼があってこそ、対等な関係でのコミュニケーションが成り立ちます。
三つ目は、アサーティブなものの見方・考え方を身に付けることです。私たちは物事に対して、つい感情的に反応してしまったり、「こうあるべきだ」という固定観念で判断してしまったりすることがあります。アサーティブな考え方では、起きた出来事を客観的に捉え、自分の思い込みや感情と切り離して考える練習をします。これにより、冷静で建設的な対話が可能になります。
そして最後に、具体的なスキルの習得です。アサーションは単なる心構えだけでなく、実践的な技術でもあります。例えば、自分の気持ちを伝えるときには、「あなた」を主語にするのではなく、「私」を主語にして話す「アイ(I)メッセージ」という手法があります。「なぜやってくれないのですか」と相手を責めるのではなく、「私はこうしてもらえると助かります」と伝えることで、相手は非難されたと感じにくく、こちらの要望を受け入れやすくなります。他にも、状況を具体的に伝え、自分の気持ちを表現し、相手に望むことを提案し、相手の選択肢を示すといった、対話のフレームワークを学ぶことも有効です。
これらの土台を一つひとつ築いていくことで、アサーションは誰でも身に付けることができるスキルです。チャレンジドジャパン山形センターでは、講座やスタッフとの面談を通して、皆さんが自分らしいコミュニケーションの形を見つけられるようサポートしています。円滑な人間関係を築き、安心して働き続けるために、一緒にアサーションを学んでみませんか。ご興味のある方は、ぜひ一度お問い合わせください。