苦手を自信に!コミュ力は練習で伸びるロールプレイで伝える練習、始めよう
Recently updated on 10月 29th, 2025 at 09:20 am

職場のコミュニケーション、自信を持って臨むために
就職し、仕事を続けていく上で、業務スキルと同じくらい、あるいはそれ以上に大切だと言われるのが、他者とのかかわり方、つまりコミュニケーション能力です。仕事は一人で完結することは少なく、同僚や先輩、上司といった様々な立場の人と協力し合いながら進めていく必要があります。しかし、「報告がうまくできない」「質問するタイミングが分からない」「雑談の輪に入るのが苦手」など、職場でのコミュニケーションに悩みや不安を抱えている方は少なくありません。特に、私たちの事業所にご相談に来られる方の中には、こうした対人関係の難しさが、働く上での大きな壁となっているケースが多く見られます。
「見えないこと」から生まれる誤解
精神疾患や発達障害をお持ちの方々が抱える困難の一つに、その障害が外見からは分かりにくいという特性があります。例えば、特性からくる不安や緊張のために相手の目を見て話せなかったり、考えをまとめるのに時間がかかったりすることがあります。また、言葉を文字通りに受け取ってしまい、相手の意図や場の空気を読むことが苦手な場合もあります。しかし、周囲の人からはその背景にある障害特性が見えないため、「やる気がない」「人の話を聞いていない」「わざと無視している」といった誤解を受けてしまうことがあります。ご本人に悪気は全くないにもかかわらず、こうしたすれ違いが積み重なることで、職場で孤立してしまったり、自信を失ってしまったりするのです。
ロールプレイを通して「伝わる」スキルを身につける
チャレンジドジャパンのプログラムでは、このようなコミュニケーションの課題を克服するためのトレーニングに力を入れています。その中心となるのが、実際の職場場面を想定したロールプレイングです。ロールプレイとは、参加者が「上司役」「部下役」といった役割を演じながら、特定の状況における対話を模擬的に行う訓練です。例えば、「業務の進捗を上司に報告する」「分からないことを先輩に質問する」「体調不良で早退したい旨を伝える」「相手を不快にさせずに依頼を断る」といった、職場で必ず発生する具体的な場面を取り上げます。座学で知識として学ぶだけでなく、実際に口に出して練習することで、適切な言葉遣いや話すタイミング、表情、声のトーンといった非言語的な要素も含めて、実践的なスキルを身体で覚えていくことができます。
失敗できる環境で、自分らしい伝え方を見つける
ロールプレイの最大の利点は、失敗を恐れずに何度でも挑戦できる安全な環境であるという点です。実際の職場では一度の失敗が大きな問題につながることもありますが、ここではうまくいかなくても大丈夫です。むしろ、様々なやり方を試す中で、自分にとってどのような表現がしっくりくるのか、どうすれば相手に意図が伝わりやすいのかを発見していくことができます。また、訓練には他の利用者さんも参加するため、自分以外の人がどのようにコミュニケーションを取っているのかを客観的に見ることも、大きな学びとなります。「Aさんのこういう言い方は丁寧で分かりやすいな」「自分は少し早口になる癖があるかもしれない」といった気づきは、一人で練習しているだけでは得難いものです。そして、私たちスタッフがそれぞれのやり方に対して客観的なフィードバックを行い、より良い方法を一緒に考えていきます。こうした積み重ねが、少しずつ自信につながり、就職後の職場での円滑な人間関係を築くための土台となるのです。
コミュニケーションは、生まれ持った才能ではありません。適切な方法を知り、練習を重ねることで、誰でも向上させることができるスキルです。もしあなたが、職場での人との関わり方に不安を感じていたり、自分の伝え方に自信が持てなかったりするのであれば、一人で抱え込まずに、ぜひ一度チャレンジドジャパンにご相談ください。私たちと一緒に、あなたらしいコミュニケーションの形を見つけていきましょう。