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自分らしく働く一歩 多様な個性を強みに

多様な特性と就労への道のり

多様な社会と言われる現代において、障害特性の現れ方も様々です。一人として同じ特性を持つ人はいないと言えるほど、個々の特性は千差万別です。ある人は聴覚に困難を抱えているかもしれませんし、他の人は視覚的な情報処理に苦労しているかもしれません。また、コミュニケーションの難しさや、対人関係における特定の状況への不安を抱えている人もいます。さらに、集中力の持続時間や注意の向け方、感覚の過敏性など、多様な特性が存在します。

このような特性が、生まれ持ったものなのか、成長過程における環境要因によって引き起こされたものなのか、あるいはその両方の影響によるものなのか、という議論は長年続けられてきました。遺伝的な要素が大きく関わっている特性もあれば、過去の経験やトラウマ、あるいは特定の学習環境などが影響している場合もあります。しかし、就労移行支援という視点から見ると、最も重要なのは特性の「原因」を探ることではなく、それぞれの特性を持つ方がどのようにすれば自分らしく働き、社会参加を実現できるのか。そのための支援を提供することです。

就労移行支援事業所では、それぞれの利用者の方の特性を丁寧にアセスメントし、個別の支援計画を作成します。例えば、聴覚情報処理に困難を抱えている方であれば、視覚的な情報を活用した訓練プログラムを検討します。コミュニケーションが苦手な方であれば、ロールプレイングや模擬面接を通して、実践的なスキルを身につける練習を行います。また、感覚過敏のある方であれば、落ち着いて作業に取り組めるような環境調整を検討します。

通所訓練と実習訓練:それぞれの特性に合わせたプログラム

就労移行支援事業所では、大きく分けて「通所訓練」と「実習訓練」の二つのプログラムを通して、利用者の方の一般就労を目指します。通所訓練では、ビジネスマナーやパソコンスキル、コミュニケーションスキルなど、就労に必要な基礎能力を養います。また、SST(ソーシャルスキルトレーニング)を通して、職場での人間関係を円滑に築くためのスキルを習得します。

実習訓練では、実際の企業で一定期間就労体験を行い、実践的なスキルを身につけることができます。実習先は、利用者の方の特性や希望、適性などを考慮して決定されます。実習を通して、働くことの喜びや難しさ、そして自分自身の強みや課題を認識することができます。実習期間中は、事業所のスタッフが定期的に企業を訪問し、利用者の方や企業担当者との面談を行い、スムーズな実習が行えるように支援します。

Tさんは、対人関係に不安を抱えていましたが、通所訓練でのSSTやスタッフとの面談を通して、徐々に自信をつけていきました。実習先では、最初は緊張していましたが、周りの方のサポートもあり、徐々に職場に慣れていくことができました。最終的には、実習先企業から直接雇用のオファーを受け、一般就労を実現することができました。

Kさんは、集中力が持続しにくいという特性がありました。通所訓練では、タイマーを使って作業時間を区切ったり、集中できる環境を作るための工夫を学びました。実習先では、作業内容を細分化したり、休憩時間をこまめにとるなどの配慮を受けながら、実習に取り組みました。その結果、自身の特性を理解し工夫しながら働くことで、一般就労への自信を深めることができました。

就労移行支援:多様な特性を強みに変えて

就労移行支援事業所は、一人ひとりの特性を理解し、それぞれの強みを活かせるように支援する場所です。特性がどのようなものであっても、それを「個性」として捉え、社会で活躍できるよう支援していきます。多様な社会だからこそ、多様な働き方があって良いはずです。私たちは、すべての利用者の方が自分らしく輝けるように、共に歩み続けます。