自分のトリセツで上手にセルフケア心穏やかに過ごすヒント。ワタシの取扱説明書を作ろう

こんにちは。チャレンジドジャパン金沢文庫センターです。
日々の生活や就労に向けた活動の中で、「いつも安定した自分でいたい」「心穏やかに過ごしたい」と感じることはありませんか。天候や人間関係、仕事のプレッシャーなど、私たちの周りには心や体の調子を左右する要因がたくさんあります。
そんな時、自分自身を上手にコントロールし、健やかな状態を保つための羅針盤があったら心強いですよね。そこで今回は、自分自身の専門家になるためのツール、「ワタシの取扱説明書」の作り方についてご紹介します。
「ワタシの取扱説明書」とは?
「ワタシの取扱説明書」とは、その名の通り、自分自身の心と体の「取り扱い」についてまとめたものです。家電製品に取扱説明書があるように、自分という存在にも、その特性や正常な状態、メンテナンス方法、不具合が起きた時の対処法などを記したマニュアルを作成します。
これを作ることで、漠然としていた自分の状態や対処法が明確になり、セルフケアがしやすくなります。そして、自分を大切にしながら、安定して日々の活動に取り組むための大きな助けとなるでしょう。
まずは「元気の道具箱」を用意しよう
取扱説明書を作るための最初のステップは、「元気の道具」を集めることです。これは、あなたを元気にしてくれるもの、心を落ち着かせてくれるもの、楽しい気分にさせてくれる活動やアイテムのリストです。自分にとっての「元気の源」をたくさん見つけ、それを「元気の道具箱」に詰めていくイメージです。
例えば、「好きな音楽を聴く」「温かいココアを飲む」「公園を散歩する」「ペットと遊ぶ」「面白い動画を見る」「ゆっくりお風呂に浸かる」など、どんな些細なことでも構いません。これをすると気分が良くなる、ホッと一息つける、と感じるものを思いつく限り書き出してみましょう。この「元気の道具箱」が、これから先のすべてのステップで活躍する大切なアイテムになります。
「いい感じの自分」をキープする日常のお手入れプラン
次に、理想の自分、つまり「いつもこんな状態でいたい」と思える「いい感じの自分」をイメージします。そして、その状態を保つために何をすれば良いかを考え、日常のメンテナンスプランを立てていきましょう。
先ほど用意した「元気の道具箱」から、日々の生活に取り入れられるものを選び出します。そして、それを「毎日やること」と「たまにやること」に分けてみましょう。「毎日やること」には、朝起きたらカーテンを開けて朝日を浴びる、寝る前にストレッチをする、といった簡単な習慣が考えられます。「たまにやること」には、週末に好きな映画を観る、月に一度友人と食事に行く、といった少し特別な楽しみを設定します。このように日々のプランを立てることで、意識的に心と体のメンテナンスができ、良い状態を長くキープしやすくなります。
不調のサインに気づき、早めに対処する
誰にでも、調子を崩すきっかけとなる「引き金」があります。これは、特定の状況や出来事、言葉など、それに触れると気分が落ち込んだり、不安になったりするものです。例えば、「人混み」「大きな音」「予定の急な変更」などがそれに当たるかもしれません。自分の「引き金」が何かをあらかじめ知っておくことで、それを避けたり、直面した時に心の準備をしたりすることができます。
また、本格的に調子を崩す前には、心や体に「注意サイン」というかすかな乱れが現れることがあります。「いつもより眠りが浅い」「食欲がない」「些細なことでイライラする」といった変化です。この初期段階のサインに気づくことが非常に重要です。
「引き金」に触れてしまった時や「注意サイン」を感じ取った時には、すぐに「元気の道具箱」を開けてみましょう。そこから、「深呼吸をする」「好きな香りを嗅ぐ」「少しの間その場を離れる」といった、すぐにできる対処法を取り出して実行します。早めに対処することで、不調が大きくなるのを防ぐことができます。
調子を崩してしまった時のためのリカバリープラン
気をつけていても、時には深刻な不調に陥ってしまうこともあるかもしれません。そんな時のために、あらかじめ回復のための計画、リカバリープランを立てておくことが大切です。
調子が悪い時は、物事を冷静に考えたり、何をすべきか判断したりするのが難しくなります。だからこそ、元気なうちに「もしも調子を崩してしまったら、こうする」という具体的な行動を決めておくのです。
「元気の道具箱」の中から、特に回復に効果的なものを選び出しましょう。「一日中パジャマで過ごして好きなだけ寝る」「とにかく栄養のあるものを食べる」「信頼できる人に話を聞いてもらう」など、自分を労わるための行動をリストアップします。無理に何かをしようとせず、「休むこと」を最優先するプランを立てることがポイントです。
すべてをまとめて「ワタシの取扱説明書」を完成させよう
これまでに考えたことを、一つのシートやノートにまとめていきましょう。これがあなただけの「ワタシの取扱説明書」です。
記載する項目は、自分の性格や特性、自分にとっての「いい感じの状態」とはどんなものか、そして日々のメンテナンスプラン、引き金と対処法、注意サインと対処法、そしてリカバリープランです。
そして、最後にとても重要な項目として、困った時に相談できる人の連絡先リストを加えてください。家族や友人、私たち就労移行支援事業所のスタッフ、主治医など、話を聞いてもらったり、助けを求めたりできる人の名前や連絡先を明記しておきます。いざという時に、誰に連絡すれば良いかが一目でわかるだけで、大きな安心感につながります。
この取扱説明書は、一度作ったら終わりではありません。経験を重ねる中で、新たな「元気の道具」が見つかったり、対処法が更新されたりするはずです。定期的に見直し、今の自分に合った内容にアップデートしていきましょう。
「ワタシの取扱説明書」を作ることは、自分自身を深く理解し、大切にするための第一歩です。自分の力で自分の機嫌をとり、安定した状態を保つ方法がわかれば、それは就労をはじめとする様々なチャレンジにおいて、あなたを支える最も強力な武器になるはずです。私たちスタッフも、皆さんが自分だけの素敵な取扱説明書を作れるよう、全力でサポートさせていただきます。