職場実習で得た自信!介護の現場での挑戦

こんにちは。チャレンジドジャパン盛岡センターです。私たちの事業所では、就職を目指す利用者さん一人ひとりの希望や適性に合わせて、様々な企業での職場実習をサポートしています。今回は、老人ホームにて10日間の職場実習に臨んだ利用者さんの様子と、そこから得られた学びについてご紹介します。
職場実習がもたらすもの
就職活動において、履歴書や面接だけでは伝わらないことがたくさんあります。それは、求職者側だけでなく、採用する企業側にとっても同じです。本当にこの仕事が自分に合っているのだろうか。職場の雰囲気はどうか。一方で企業側も、本当にこの人に仕事を任せられるだろうか。長く働き続けてもらえるだろうか。といった不安を抱えています。
職場実習は、こうした企業と求職者の双方にとっての「ミスマッチ」を防ぐための大切な機会です。実際の職場で一定期間働くことで、業務内容や職場の環境を肌で感じ、自分自身の適性を見極めることができます。また、企業側にとっても、実習生の仕事への取り組み方や人柄を深く知ることができ、採用後の具体的なイメージを描きやすくなります。まさに、お互いにとって納得のいく就職・採用を実現するための架け橋となるのが、この職場実習なのです。
老人ホームでの挑戦
今回ご紹介する利用者さんは、土日を挟む10日間、老人ホームでの実習に挑戦されました。介護の現場は専門的な知識と技術、そして何よりもコミュニケーション能力が求められる職場です。実習では、特殊浴槽での入浴をお手伝いする特浴介助、ベッドと車椅子間の乗り移りを補助する移乗介助、衣類の着脱介助、そして利用者さんの食事風景の見学や、フロアでの見守りなど、多岐にわたる業務を経験させていただきました。
実習に臨むにあたり、利用者さんはご自身で二つの目標を立てました。一つは、業務上の報告・連絡・相談を欠かさず行うこと。もう一つは、規則正しい生活を送り、実習期間中は一日も休まずに通い続けること。これらは社会人として働く上で基本となることですが、新しい環境で緊張や疲れがある中で継続するのは決して簡単なことではありません。この目標設定からも、利用者さんの就職に向けた強い意志が感じられました。
実習を通して得た気づきと自信
実習を終えた利用者さんは、晴れやかな表情で感想を話してくださいました。施設のスタッフさん全員がとても優しく、一つひとつの作業を丁寧に教えてくれたおかげで、初めての環境でも落ち着いて仕事に取り組むことができたそうです。
また、実習前は「これくらいならできるだろう」と思っていたことが、実際にやってみると想像以上に難しかったという発見もありました。これは決してネガティブなことではありません。自分自身の得意なこと、そしてこれから伸ばしていくべき課題を具体的に知ることができたのは、この実習で得られた大きな収穫です。初めは時間がかかっていた作業も、日を重ねるごとに正確に行えるようになり、その達成感が大きな自信に繋がったと語ってくれました。この貴重な経験を、今後の就職活動に必ず活かしていきたいという力強い言葉が印象的でした。
そして、特にチャレンジドジャパンでの日々の訓練が役立ったこととして、「挨拶」と「他者とのコミュニケーション」を挙げてくださいました。もし事業所に通っていなければ、自分から積極的に挨拶したり、わからないことを質問したりすることはできなかったかもしれない、とのこと。日々の積み重ねが、実践の場で大きな力となることを証明してくれました。
私たちスタッフも、実習期間中は毎日利用者さんと電話で連絡を取り、その日の出来事や感想を共有し、二人三脚で実習をサポートしていました。実習が始まった当初は、慣れない環境での緊張と疲れから、実習時間を短縮することも視野に入れていました。しかし、利用者さんは日に日に業務に慣れ、見事に当初の予定通り全日程を最後までやり遂げることができました。この困難を乗り越えた経験は、ご本人の揺るぎない自信になったことと思います。
私たちはこれからも、利用者さん一人ひとりの挑戦に寄り添い、確かな一歩を踏み出すためのサポートを続けてまいります。