社会生活スキル~コンセンサスゲーム~
宇都宮センターでは先日、社会生活スキル講座の一環として「コンセンサスゲーム」を行いました。
コンセンサスゲームという言葉を初めて聞いた方も多いと思いますので、説明を交えながら当日の様子をお伝えしたいと思います。
コンセンサスとは?
コンセンサスとは「合意」や「意見の一致」という意味を指し、グループ内で統一した意見が合意された状態、大多数が合意している状態のことを指します。ある課題についてグループ内で話し合いながら、コンセンサス(合意)を形成していきます。
私たちが実際に行ったコンセンサスゲームは、特定の条件の中で砂漠から脱出する方法を題材に、グループ内で話し合いを行いました。今回の話し合いでは、協力することの大切さ、グループ内で1つの回答を導き出す事の難しさを皆さんに体験していただきました。
話し合いテーマは「砂漠からの脱出」
まずは参加者全員に今回のテーマである「砂漠からの脱出」のシチュエーション、使用できる12個の物品を共有しました。
状況として私たちは、飛行機で移動中にとある砂漠に不時着してしまいます。利用できる物品は限られており、町も遠く…。さて、どうするとよいのでしょうか。私たちの手持ちにある物品は限られたものしかない為、どのように行動すればよいのかを皆さんに考えていただきました。
皆さんで話し合った12個のアイテムを記載いたしますので、皆さんだったらどのような優先順位をつけますか?是非考えてみてください。
1.懐中電灯(電池4本入り)
2.食塩(ガラス瓶に入っている、1人1瓶)
3.航空写真(脱出する砂漠の周辺地図)
4.1人につき1ℓの水
5.ビニール製の大きな雨具
6.本「食用に適した砂漠の動物)
7.方位磁石
8.1人1着の軽装のコート
9.実弾6発入り45口径の就
10.化粧用の手鏡
11.赤白のパラシュート
12.ウォッカ(約2ℓ)
当日はスタッフも皆さんと一緒に順位付けを行いました。実際の話し合いでは、使用用途の目的によって優先順位が変わったり、自分では思いつかなかった考えの発表もあり大変参考になりました。2つのグループで共通した意見として、その場に留まり救助を待ったほうが良いのではないかという考えに至り、それを元に優先順位を決めました。
専門家の解答
グループ内で話し合った内容を共有した後、模範解答として専門家の解答を確認しました。専門家の解答も、話し合いで上がった通り「助けを待つ」となっていました。理由として、軽装で砂漠を移動する事は危険である事、助けが来る可能性があるからです。
物品の優先順位も私たちとの考えで違いがあった為、それをご紹介いたします。私たちは生き延びる為に水を優先順位の上位に上げていましたが、専門家の解答では化粧用の手鏡、1人1着のコートが上位となっていました。
状況によって変わる事がありますが、捜索隊に自分たちの位置をわかってもらう行動が必要となるそうです。皆さんで共有した際、驚きと納得の声が多く聞こえました。
まとめ
時間が足りなくなるほど、活溌な意見交換ができ、参加された利用者さん全員が他者の意見を聴くことの大切さ、面白さを感じていました。
「コンセンサス」を形成することは簡単なことではありませんが、自分の意見と他者の意見の折り合いをつけ、一つの合意形成への道のりを体験できた、有意義な一日となりました。
このような体験は就職後にも役立ちます。ぜひ興味がある方はお問い合わせ下さい。