相模原市緑区・橋本の就労移行支援 人の視線や話し声が気になる….
こんにちは。
橋本・相模原エリアで皆さんの「働きたい」を応援している就労移行支援事業所、橋本センターのセンター長です。
人通りの多い駅前や、ざわめきのあるカフェ、活気ある街並みを歩いているとき、ふと「周りの人の視線が自分に集中している気がする」「遠くで聞こえる話し声や笑い声が、自分の悪口を言っているように聞こえる」と感じて、心臓がどきどきしたり、冷や汗が出たりして苦しくなってしまうことはありませんか?
周りの人からは「気にしすぎだよ」「誰もあなたのことなんて見ていないよ」と言われるかもしれません。しかし、ご本人にとっては「気にしない」ということが何よりも難しく、切実な悩みです。その言葉で片付けられてしまうことで、誰にも理解してもらえないという孤独感を深めてしまう方も少なくありません。今日は、そのどうしようもない苦しさについて、少しお話しさせてください。
「気になってしまう」具体的な状況と事例
私たちの事業所には、これまで一人で悩み、苦しんできた多くの方が相談にいらっしゃいます。皆さん、似たような状況で困り果て、どうして良いか分からなくなってしまったと話してくださいます。例えば、具体的には以下のような状況で強いストレスを感じている方が多いです。
職場や事業所での視線についてです。自分がパソコンで作業をしているとき、背後に誰かが立つだけで「ちゃんとやっているか監視されている」「ミスをしたら笑われるのではないか」という強いプレッシャーを感じ、普段ならしないようなミスを連発してしまったり、指先が震えてしまったりします。
カフェや電車での話し声も悩みの種です。近くの席で笑い声が上がると、その内容が全く聞こえなくても、理由もなく「自分の服装や動きがおかしいから笑われたんだ」と決めつけてしまい、恥ずかしさで顔が熱くなり、その場にいるのが耐えられなくなってしまいます。
また、視線からの情報の過多に苦しむ方もいます。ただ街を歩いているだけなのに、すれ違う人全員が自分を値踏みし、評価しているように感じてしまい、外出するだけで心身ともにひどく疲弊してしまうのです。
こうした状態は、決してご本人の「性格が弱い」とか「考えすぎ」といった単純な問題ではありません。統合失調症の症状の一つである「過敏さ」や、発達障害(自閉スペクトラム症など)の特性である感覚過敏によって、音や光、視線といった情報を過剰に受け取ってしまうことが原因であるケースも少なくありません。また、過去の対人関係でのつらい経験からくる不安が、他者への警戒心を強めていることも考えられます。
このような状況が長く続くと、人と会うこと自体が怖くなる対人恐怖や、気分の落ち込みが続くうつ状態などを二次的に発症し、「外に出るのが怖い」「誰とも関わりたくない」という状態に陥り、さらに社会から孤立してしまうという悪循環に陥ることもあります。
心を少しずつ楽にするための対策
「気にするな」と言われても、それができないからこそ苦しいのです。それは根性や気持ちの問題ではありません。だからこそ、私たちは「技術」として対策を学び、練習することで、自分自身を守るスキルを身につけることを目指します。
一つ目は、物理的な遮断です。これは、入ってくる情報そのものを減らすための有効な工夫です。例えば、ノイズキャンセリング機能のあるイヤホンや耳栓で周囲の音を和らげたり、つばの広い帽子や度の入っていない伊達メガネをかけることで、視界に入る情報を少し遮ったりします。これらは「逃げ」ではなく、刺激の多い環境で自分を守るための大切な「鎧」なのです。
二つ目は、「事実」と「推測」を分ける思考のトレーニングです。例えば、「近くの人が笑った(事実)」からといって、「自分の悪口を言っているに違いない(推測)」と自動的に結びつけてしまう思考の癖に気づく練習をします。そして、「全く関係ない話で盛り上がっている可能性」や「面白いスマホの画面を見ている可能性」など、他の可能性を具体的に検討するトレーニングをスタッフと一緒に行います。一人では堂々巡りになりがちな思考も、第三者の視点が入ることで客観的に捉え直しやすくなります。
三つ目は、安心できる場所の確保です。私たちの事業所のような場所は、皆さんにとっての「安全基地」となり得ます。ここでは「視線が怖くて集中できません」と正直に伝えることができます。もし不安が強くなっても、クールダウンできる場所があります。そして何より、「ここなら否定されない」「何かあってもスタッフが助けてくれる」という安心感が、過敏になってしまった心を少しずつ和らげ、外の世界へ再び挑戦するエネルギーを蓄えることにつながります。
サポートと対応講座
私たちの事業所では、こうしたお悩みを抱える方々のために、専門的な知識に基づいたプログラムを多数ご用意しています。一人ひとりの状況や目標に合わせて、必要なスキルを自分のペースで段階的に学んでいける環境を整えています。
JST(職場における対人技能訓練)というプログラムでは、「こんなとき、どう振る舞えばいい?」という職場での具体的な場面を想定し、ロールプレイ形式で練習します。視線をどこに置けばよいか、報告や相談をするときの立ち居振る舞いなど、細かい部分まで繰り返し練習できます。失敗しても大丈夫な環境で何度も試すことで、実際の場面での不安を大きく減らし、自信を持ってコミュニケーションが取れるようになります。
また、自己理解セミナーでは、「自分を苦しくさせている考え方のクセ」に気づき、それをもう少し楽な考え方に書き換えていく力を養います。自分の特性を客観的に知ることは、自分を責めるためではなく、自分自身を上手に乗りこなし、ストレスと付き合っていくための第一歩です
一人で頑張るのを、お休みにしませんか?
ここでは、あなたが「視線が怖い」「声が気になる」と言っても、誰も笑いません。
どうすればあなたがもっと楽に、あなたらしく働けるかを一緒に考えます。
抱えている背景は人それぞれですが、共通しているのは「もっと穏やかに過ごしたい」という願いのはずです。
まずは、その「気になってしまう自分」を否定せず、私たちと一緒に小さな対策から始めてみませんか?
少しだけ、肩の荷を降ろしに来てください。
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