気持ちを伝える合言葉「みかんていいな」:福島市・就労移行支援

こんにちは。就労移行支援事業所チャレンジドジャパン福島センターです。
職場や日常生活の中で、「本当はこう思っているのに、言えずに我慢してしまう」「自分の意見を伝えたら、相手を怒らせてしまった」といった経験はありませんか。自分の気持ちを伝えることは、簡単なようでいて、とても難しいものです。言いたいことを我慢しすぎると自分が苦しくなりますし、逆に強く言いすぎると相手との関係が悪化してしまうこともあります。
今回は、そんなコミュニケーションの悩みを解決するヒントになる、素敵な合言葉をご紹介します。その名も「みかんていいな」。これは、自分も相手も大切にしながら、誠実に自分の意見や気持ちを伝えるためのコミュニケーション手法です。このスキルを身につけることで、不要な対立を避け、お互いが納得できる建設的な対話を目指すことができます。
アサーティブ・コミュニケーションとは?
「みかんていいな」は、「アサーティブ・コミュニケーション」という考え方に基づいた具体的な行動スキルです。アサーティブとは、「自分も相手も尊重した自己表現」のことです。私たちのコミュニケーションのスタイルは、大きく分けて3つのタイプがあると言われています。
一つ目は、自分の意見や気持ちを表現できず、我慢してしまう「非主張的(ノンアサーティブ)」なスタイル。二つ目は、自分の意見を一方的に押し付け、相手を言い負かそうとする「攻撃的(アグレッシブ)」なスタイルです。そして三つ目が、相手の気持ちに配慮しながらも、自分の意見を誠実に、率直に、対等な立場で伝えようとする「アサーティブ」なスタイルです。
仕事の場面では、円滑な人間関係を築きながら、業務を効率的に進めるために、このアサーティブなコミュニケーションが非常に重要になります。「みかんていいな」は、このアサーティブな伝え方を実践するための、分かりやすいステップなのです。
自分の気持ちを上手に伝える「みかんていいな」
それでは、「みかんていいな」の4つのステップを詳しく見ていきましょう。この言葉は、それぞれのステップの頭文字をつなげたものです。何かを伝えたいと思った時、いきなり話し始めるのではなく、一度このステップに沿って頭の中を整理してみることで、ずっと伝えやすくなります。
ステップ1:み「見る」- 客観的な事実を伝える
最初の「み」は、「見る」の「み」です。ここでは、今起きている状況や、相手の具体的な行動といった「客観的な事実」をありのままに伝えます。大切なのは、自分の主観や感情、憶測を交えずに、「誰が見てもそうだと分かる事実」だけを話すことです。例えば、「いつも遅刻する」というのは主観的な評価ですが、「先週の月曜日と水曜日の朝礼に5分遅刻した」というのは客観的な事実です。最初にこの事実を共有することで、相手は「何かを責められている」と感じにくくなり、話を聞く準備が整いやすくなります。
ステップ2:かん「感情」- 自分の気持ちを伝える
次の「かん」は、「感情」の「かん」です。ステップ1で伝えた事実に対して、自分がどう感じたのか、どう考えたのかを率直に伝えます。ここでのポイントは、「私」を主語にして話すこと(アイメッセージ)です。「なぜ〇〇するんだ!」(主語が「あなた」のユーメッセージ)と伝えると、相手は非難されたと感じて反発しがちです。そうではなく、「(あなたが〇〇したので)私はとても困っている」「私は少し悲しい気持ちになった」というように、「私」を主語にすることで、あくまで自分の気持ちとして相手に伝えることができます。これにより、相手はあなたの気持ちを理解しやすくなります。
ステップ3:てい「提案」- 具体的な要望を伝える
三つ目の「てい」は、「提案」の「てい」です。事実と自分の気持ちを伝えた上で、相手にどうしてほしいのか、具体的な要望や解決策を提案します。「もっとちゃんとしてほしい」のような曖昧な表現では、相手は何をすれば良いのか分かりません。「次からは、遅れそうな時は5分前に連絡をもらえないでしょうか」というように、具体的で、行動可能なレベルまで落とし込んで伝えることが重要です。命令ではなく、「~してほしい」「~してもらえると助かります」といった、お願いの形で伝えることを意識しましょう。
ステップ4:いな「選択・代案」- 相手の「否」を尊重する
最後の「いな」は、相手が提案に対して「否(いな)」と言う権利を尊重し、もし断られた場合の「代替案」を一緒に探る姿勢を示すステップです。自分の提案が100%受け入れられるとは限りません。相手にも事情や考えがあることを尊重する姿勢が、良好な関係を保つ鍵となります。「もし、この提案が難しいようであれば教えてください」と相手の意見を聞いたり、「〇〇という方法はいかがでしょうか」と別の案を提示したり、「どうすればお互いにとって良いか、一緒に考えませんか」と協力的な姿勢を見せたりすることが大切です。このステップがあることで、一方的な要求ではなく、お互いが納得できる着地点を見つけるための「対話」になるのです。
「みかんていいな」は、すぐに完璧にできるものではなく、練習が必要なスキルです。まずは、この4つのステップを意識することから始めてみませんか。当事業所では、こうしたコミュニケーションスキルを高めるためのトレーニングも行っています。円滑な人間関係を築き、安心して働ける環境を整えるために、ぜひこの「みかんていいな」をあなたのコミュニケーションの道具箱に加えてみてください。