我慢も攻撃もしない伝え方のコツとは?

皆さん、こんにちは。チャレンジドジャパン金沢文庫センターです。
私たちは日々、さまざまな人と関わりながら生活しています。その中で「コミュニケーション」は欠かせないものですが、皆さんは「コミュニケーションって何だろう?」と、あらためて考えたことはありますか?
言葉を交わすこと、情報を伝えること、それだけがコミュニケーションの全てではありません。本当のコミュニケーションとは、お互いの自己表現を通じて、より良い人間関係を築いていくプロセスそのものだと言えるでしょう。職場でも、家庭でも、友人との間でも、円滑なコミュニケーションは、私たちが安心して自分らしく過ごすための大切な土台となります。
自分の気持ち、きちんと伝わっていますか?
コミュニケーションについて考えるとき、二つの大切な問いがあります。
一つは、「自分は、自分の気持ちを相手に正確に表現できているだろうか?」という問いです。そしてもう一つは、「相手は、その気持ちをきちんと受け止めてくれているだろうか?」という問いです。
本当は「ノー」と言いたいのに、相手をがっかりさせたくなくて無理に引き受けてしまい、後で一人で抱え込んでしまう。あるいは、自分の意見を分かってほしくて、つい強い口調になってしまい、相手を傷つけるつもりはなかったのに気まずい雰囲気になってしまう。そんな経験はないでしょうか。
自分の気持ちを押し殺してばかりいると、ストレスが溜まり、自分自身を追い詰めてしまいます。一方で、自分の意見ばかりを主張してしまうと、周囲との間に壁ができてしまい、孤立してしまうかもしれません。こうしたコミュニケーションのすれ違いは、私たちの心に大きな負担をかけるだけでなく、人間関係そのものを難しくしてしまうことがあります。
自分も相手も大切にする自己表現「アサーション」
では、どうすれば自分も相手も傷つけずに、気持ちを伝え合うことができるのでしょうか。そのヒントとなるのが「アサーション」という考え方です。
アサーションとは、「自分も相手も大切にした、誠実で対等な自己表現」のことを指します。
自分の気持ちや意見を正直に伝えつつも、相手の気持ちや意見にも敬意を払い、尊重する。それがアサーションの基本的な姿勢です。
例えば、無理な頼み事をされた時に、ただ断るのではなく、「お力になりたい気持ちはあるのですが、今は他の業務で手一杯なので、申し訳ありませんがお引き受けできません」といったように、自分の状況と相手への配慮を合わせて伝える方法が考えられます。
このようにアサーティブな表現を身につけることで、一方的に我慢したり、逆に攻撃的になったりすることなく、お互いにとって納得のいく解決策を見つけやすくなります。自分の気持ちを適切に伝えられるようになると、自己肯定感が高まり、ストレスが軽減されるという効果も期待できます。そして何より、相手との間に信頼に基づいた、より良い関係を築いていくことができるのです。
チャレンジドジャパンでアサーションを学ぼう
私たちチャレンジドジャパンでは、コミュニケーションスキルを向上させるためのプログラムとして「対人行動講座」をご用意しています。この講座では、まさに今お話しした「アサーション」について、基礎からじっくりと学ぶことができます。
講座の中では、アサーションの考え方を理解するだけでなく、具体的な伝え方のテクニックを学んだり、ロールプレイングを通して実践的な練習をしたりする機会もあります。安心して失敗できる環境で練習を重ねることで、少しずつ自信を持って自分の気持ちを表現できるようになります。
「こんな時、どう伝えたらいいだろう?」という日々の悩みや疑問をスタッフや他の利用者さんと共有しながら、自分に合ったコミュニケーションのスタイルを見つけていくことができます。
コミュニケーションの悩みは、一人で抱え込んでいても、なかなか解決が難しいものです。もしあなたが、人との関わり方で悩んでいたり、もっと上手に自分の気持ちを伝えられるようになりたいと感じていたりするなら、ぜひ一度、チャレンジドジャパンに見学・体験に来てみませんか?
私たちは、皆さんが自分らしいコミュニケーションを見つけ、自信を持って社会で活躍していくためのお手伝いをしたいと考えています。
スタッフ一同、心よりお待ちしています。