思い込みがちな「常識」を見直して、良好な人間関係を築こう

自分の常識って正しいの？

皆さんは「常識」という言葉を使う時、どんな意味で使っていますか？一般的には「多くの人が当然のこととして知っている知識や判断力」という意味で使われます。しかし、この「常識」が時として、私たちを悩ませたり、問題を引き起こす原因になることがあるかもしれません。

私たちは日常生活の中で、様々な出来事に遭遇します。そして、それらの出来事に対して、私たちはそれぞれ違った感情を抱き、行動に移します。同じ出来事でも、ある人は怒りを感じ、ある人は悲しみを感じ、またある人は何とも思わないかもしれません。この違いはどこから生まれるのでしょうか？

それは、その出来事を受け止めた人の「ものの見方や考え方、思い込み」に大きく左右されます。例えば、電車の中で足を踏まれたとします。Aさんは「わざと踏んだに違いない！」と怒りを感じ、相手に文句を言ってしまうかもしれません。Bさんは「きっと混んでいるから仕方ない」と思い、特に気に留めないかもしれません。Cさんは「もしかしたら、相手も何かに気を取られていて、気づかずに踏んでしまったのかもしれない」と考え、相手に声をかけずにそっと足を移動させるかもしれません。

同じ出来事でも、Aさん、Bさん、Cさんで全く異なる反応を示しました。これは、それぞれの人が持つ「常識」の違いによるものと言えるでしょう。Aさんの常識では、足を踏まれたら、それは悪意のある行為であり、怒って当然という考え方かもしれません。Bさんにとっては、混雑した電車内で多少の接触は避けられないという考え方が常識となっているのでしょう。Cさんは、相手の状況を思いやることを常識と考えているのかもしれません。

もし、ものの見方や考え方が現実的でない場合、その結果として問題や悩みが作られやすくなり、人間関係に悪影響を及ぼす可能性があります。例えば、Aさんのように、常に他人の行動を悪意と捉えるような考え方をしていると、人間関係で摩擦が生じやすくなってしまうでしょう。また、自分の考え方を絶対的に正しいと思い込み、他人の意見を受け入れられない場合も、円滑なコミュニケーションを阻害する要因となります。

このような問題を防ぐためには、自分の「常識」を一度疑ってみる必要があります。日常のものの見方や考え方に対し、「その考えは思い込みではないか」「本当に事実に沿った考え方なのか」と自問自答し、反論してみることで、より柔軟な思考力を養うことができます。自分の考え方の癖に気づくことで、感情的にならずに状況を客観的に判断できるようになり、より適切な行動を選択できるようになるでしょう。

仙台長町センターでは、自分のものの見方や考え方について、グループワークを通して客観的に見つめ直し、より良い人間関係を築くためのコミュニケーションスキルを学ぶ講座を開催しています。思い込みによる悩みや問題を抱えている方、アサーティブな言動を身につけたい方は、ぜひ一度見学・体験にお越しください。お待ちしております。