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チャレンジドジャパン・ニュース

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コーポレート

就職者インタビュー

川崎センターより、2024年6月就職予定者「&さん」の就職者インタビューをお送りします。

Q1. ご就職おめでとうございます。お仕事内容を教えて下さい。
 ありがとうございます。私はこの度、地方自治体の事務職として採用されました。業務内容と致しましては主に、資料印刷・コピーやスキャン作業、データ入力などがありますが、清掃やお茶出しといった業務もございます。

Q2. 業務内容や労働条件はご希望通りですか?満足度何%ぐらいでしょう?
  私は当初より事務職を希望しておりましたので、業務内容には満足しております。ただ専門的なことを行う部署なので、仕事内容に想像がつきづらく、少し不安な気持ちもあります。
 勤務時間は6時間勤務ですが、現在の通所時間から前後に1時間ずつ増えるだけですし、通勤時間も現在の通所時間とほとんど変わらないので、現在の生活から大きく変化することなく適応しやすいのではないかと考えております。満足度としては90%くらいです。

Q3. そもそも、なぜ障害者雇用で働きたいと思われたのでしょう?
 今までいくつかの仕事を経験してきた中で、努力不足では説明がつかないような能力の壁のようなものを感じてきました。このままでは就職しても離職を繰り返すことになってしまうのではないかと感じ、自身の特性を見極めたいと精神科を受診、検査の結果、自閉スペクトラム症と診断を受け、配慮を受けながら仕事ができる障害者雇用を希望した次第です。

Q4. チャレンジドジャパン川崎センターに通うとお決めになられたきっかけは何ですか?
 いくつかの就労支援事業所を見学させていただきましたが、チャレンジドジャパン川崎センターでは利用者の皆様が自主性を持ってとても生き生きと訓練活動をされていらっしゃると感じました。また、利用者とスタッフ、利用者同士などの関わり合いを大切にする様子も伺えました。チャレンジドジャパンでなら、より実践に近い訓練が出来るのではないか、と感じたので通うことに決めました。

Q5. 通所中、苦労された点を教えて下さい。
 まず、遅刻しないようにするということに苦労しました。特性として時間の認識が苦手というのがあり、寝坊をしているわけでもないのに知らない間に時間が過ぎてしまい、時には遅刻してしまうこともありました。
 また、業務を忘れないようにすることや、複数の業務の優先順位を管理したりすることが難しかったです。あとは家族の体調不良等のために訓練を欠席しなければならないことがよくあり、係活動のメンバーなどの方々に迷惑をかけてしまうことが心苦しかったです。

Q6. それはどのように乗り越えられましたか?
 遅刻につきましては、まず朝する事が多すぎることに気が付きました。無理して多くの事をこなすのではなく、朝することはルーティン化し、いつも決まった事だけをするようにしたら少し余裕が生まれ、遅刻をせずに済むようになりました。
 業務の失念、複数の業務の進め方や優先順位の管理などにつきましては、業務ごとに付箋に書き出しノートに貼り付け、優先順位に困った時にはそのノートを職員に見せながら相談するという方法で改善しました。
 家族の体調不良等の都合で欠席せざるを得ないことにつきましては、不可抗力なところではありますが、夫に協力をあおいだり、日頃から業務を調整したり等、対策は致しましたが、最終的には周囲の方々の理解や協力があってこそ乗り越えられたと思いますので、職員や係活動のメンバー、皆様に感謝してもし尽くせません。

Q7. 訓練の前後で、就職につながる良い変化はございましたか?
 訓練を受けるまでは仕事がうまくいかない理由が自分でもよく分かっていませんでした。また、自分さえ頑張れば自分は上手くいくと思い、困った時でもなかなか相談ができず、つい一人で抱え込みがちでした。でもその「抱え込んで相談しない」事が上手くいかない一番の原因だったのではないかと今は思います。
 私は「自分の困りごとなんて取るに足らない事で、出来るだけ助けは求めず、自分一人で解決しなければならない」と思い込んでいました。でも訓練に通う中で、職員の方は勿論ですが他の利用者の方にも助けていただくことが沢山ありました。始めは就労移行支援についてよく分かっていなかった夫や家族も次第に訓練に協力的になってくれました。
 私のためにみんなが助けてくれる、そういう経験を重ねていくうちに「問題解決のためには適切に助けを求める事が大切なのだ」という事が分かりました。また助けてくれた際にはきちんと感謝し、そして助けてもらうばかりではなく、自分もみんなを助ける、そういった関わりこそが仕事がうまくいくために必要なことなのだと気づく事ができました。

Q8. そのように変化したきっかけはなんでしょうか?
 自己理解を進めていく中で、前職がうまくいかなかった理由を考える機会がありました。その時私は「今、充実して通所できているのだから、うまくいかなかったのは前職の職場の人達のせい」と思っていることを職員に伝えたことがありました。その時の職員からは「それは違いますよ、&さんが今うまくいっているのは、皆さんが&さんに配慮をしているからですよ。」と返答がございました。
 私は自分一人で頑張っているつもりでいましたが、今は周囲のみんなが配慮をしてくれるという環境がある、だからこそ、今の自分でいる事が出来ているのだという事に、その一言で気づく事ができました。勇気をもって伝えて下さった職員の方に感謝いたします。

Q9. チャレンジドジャパン川崎センターのプログラムや係活動、面談等の中で、就職のために役に立ったものはございますか?ご自身の障害特性を踏まえてお答え下さい。
 特にこれが、というよりチャレンジドジャパン川崎センターに通所する生活そのものすべてが役に立ったと考えています。 通所を始めた当初は「就職のために、パソコンや作業の技術を身につけよう」と考えて通所していました。もちろんそれは大事なことですが、それ以上に重要かもしれない事があります。それは、あらゆる訓練や講座に対し、「自分がどう感じたか、どう考えたか」を認識する事です。障害者雇用で就職するためには自分の特性を自身でしっかり理解し、就職先の人達に説明出来ないといけません。でも最初から自身の特性についてはっきり説明出来る人はなかなかいらっしゃらないのではないでしょうか。私も「なんだか色んな事が上手くいかないけれど、どうしてなのか分からない」といった状態でした。なので何か訓練や作業をしていて「何となく上手くいかないな」と感じた時、その理由をその度に考えるようにしました。その積み重ねが自身の特性を知る材料になったと思います。
なのでどんな訓練でもまずはやってみるのがよいと思います。色々やってみる事で、色んな方向性で特性と向き合うチャンスが出来るからです。恐れず沢山のことに是非チャレンジして頂けたらと思います。

Q10. 最後に、他の障害者の方に伝えたい事はございますか?
 訓練をしていく中で、できなくて苦労をしたりする場面も多々あると思います。出来ないと「自分は出来なくてだめだ」と落ち込む時もあるかも知れません。私も落ち込む時が良くありました。でも、出来ない事が見つかる事自体がチャンスなのだと今は思います。訓練すれば出来るようになるのか、何か工夫すれば出来るのか、等々、対策を考える事が出来るからです。出来ない事に気づけていないままでいるよりもずっとましです。ですので、出来なくてもだめだなんて思わないで頂きたいです。もし落ち込んでしまった時は「これはチャンスなんだ」と思って、少しでも元気を出して頂けたら幸いです。

【スタッフより】
 &さんは、元々高い教養やPCスキルを備え&挑戦心や好奇心が高く&温和で明るく気配り上手な方で、一見すると「障害があると分かりづらい」方でした。コミュニケーションエラーが発生している様子は伺えはしたものの、具体的なエラーポイントや対処方法の分析に時間がかかり、スタッフ皆申し訳なさと危機感を感じていた方です。
 しかし、ほぼマンツーマンによる評価&指導が可能な訓練に切り替えて専念して頂くに連れ、課題や対処方法を見つかる事が出来、ご本人の驚異的な忍耐力と精神力で諦めず、最後までコツコツと訓練と就職活動を継続し、後半の追い上げで見事内定を勝ち取られました。 
 訓練生以外にも、親として妻としての多数の社会的役割を担いながら、ご自分の特性と向き合う辛く苦しい道のりを乗り越えられた&さんをスタッフ一同誇りに思います。
 &さん、改めてご就職おめでとうございます!