冷たい人と思われない文章のコツ

こんにちは。就労移行支援事業所です。
私たちの生活や働き方は、ここ数年で大きく変化しました。特に、リモートワークやオンラインでの会議が普及したことで、メールやビジネスチャットなど、文字(テキスト)でやり取りする機会が格段に増えています。
このような「テキストコミュニケーション」は、対面での会話とは異なる難しさがあり、ちょっとしたことで誤解を招いてしまうこともあります。
そこで今回は、仕事で円滑な人間関係を築き、スムーズに業務を進めるためのテキストコミュニケーションのポイントについてご紹介します。
テキストコミュニケーションで押さえるべき基本のポイント
文章でのやり取りは、相手の時間を尊重し、必要な情報を正確に伝えることが大切です。まずは、ビジネスシーンで基本となる三つのポイントを押さえましょう。
一つ目は、結論や目的を先に書くことです。ビジネスメールやチャットでは、相手も多くのメッセージを確認しています。そのため、本文の冒頭で「何についての連絡なのか」を明確に伝えることが重要です。「〇〇の件でご相談です」「△△の資料をお送りします」のように、用件を最初に示すことで、相手は内容をすぐに把握でき、その後のやり取りがスムーズになります。
二つ目は、一文を短く、簡潔にすることです。長い文章は読みにくく、伝えたいことの要点がぼやけてしまいがちです。また、意図が正しく伝わらない原因にもなります。一つの文には一つの情報だけを盛り込むように意識し、主語と述語を明確にして、誰が読んでも分かりやすい文章を心がけましょう。
三つ目は、5W1Hを意識することです。5W1Hとは、「いつ(When)」「どこで(Where)」「誰が(Who)」「何を(What)」「なぜ(Why)」「どのように(How)」という情報伝達の基本要素です。特に、会議の日程調整や業務の依頼などでは、これらの情報が一つでも欠けていると、何度も確認のやり取りが発生してしまいます。情報を送る前に、必要な要素がすべて含まれているかを確認する習慣をつけましょう。
「冷たい」と思わせないための心遣い
テキストコミュニケーションの最も大きな弱点は、表情や声のトーンといった感情やニュアンスが伝わりにくいことです。自分ではそのつもりがなくても、相手に「冷たい」「きつい」という印象を与えてしまう可能性があります。
そうした誤解を避けるためには、少しの工夫が効果的です。例えば、文章の最後に「お忙しいところ恐れ入りますが、よろしくお願いいたします」や「ご確認いただけますと幸いです」といった、相手を気遣う一言を添えるだけで、文章全体の印象が格段に柔らかくなります。
また、相手に何かを指摘したり、修正をお願いしたりする場面では、特に配慮が必要です。「〇〇の部分が間違っています」と直接的に伝えるのではなく、「恐れ入ります」「お手数ですが」といったクッション言葉を活用しましょう。さらに、「〇〇の部分ですが、もしかすると△△かもしれません」のように、断定的な表現を避けて「~かも」という言葉を使うことで、相手も指摘を受け入れやすくなります。
そして、忘れてはならないのが、文字だけですべてを伝えようとしないことです。複雑な内容や、感情的なすれ違いが起こりそうなデリケートな話題は、テキストだけで解決しようとすると、かえって事態を悪化させてしまうことがあります。そのような場合は、無理に文章で伝えようとせず、電話で話したり、可能であれば直接会って話したりするなど、別のコミュニケーション手段を選ぶ勇気も大切です。
ビジネススキルとして身につけ、自信につなげよう
コロナ禍以降、テキストコミュニケーションは、一部の職種だけでなく、あらゆるビジネスシーンで求められる必須のスキルとなりました。このスキルを身につけることは、業務効率を上げるだけでなく、職場での信頼関係を築き、安心して働くための土台となります。
私たちの就労移行支援事業所では、PC操作や専門スキルのトレーニングだけでなく、こうしたビジネスマナーに関する講座も実施しています。実際の業務を想定したメール作成の練習などを通じて、皆さんが自信を持って働けるよう、実践的なサポートを行っています。
テキストでのやり取りに苦手意識がある方や、ビジネスシーンで通用するコミュニケーションスキルを基礎から学びたい方は、ぜひ一度、私たちにご相談ください。一緒にスキルアップを目指し、あなたの「働きたい」という気持ちを形にしていきましょう。