スケジュール作成で仕事の基礎力アップ

こんにちは。就労移行支援事業所のチャレンジドジャパン北上センターです。
朝晩の冷え込みが本格的になってきました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
さて、北上センターでは、就職に向けて様々なトレーニングを行っていますが、今回はその中から「係活動」の一つである「月間スケジュール作成」についてご紹介します。係活動とは、センターの運営に関わる業務を利用者の方に担当していただくもので、より実践的なビジネスマナーやスキルの習得を目指す訓練です。
月間スケジュール作成とは?
「月間スケジュール作成」と聞いて、どのような作業を思い浮かべるでしょうか。これは、その名の通り、センターで利用者の皆様が使用する一ヶ月分のスケジュール表に講座の予定を入力する係活動です。
※月間スケジュールとは…来月一ヶ月間の、利用者さん一人ひとりの通所予定日や利用時間、講座やグループワークといった訓練内容、面談の予定、季節のイベントなどを、一枚のカレンダー形式の表にまとめる作業です。。
センターの予定表が完成すると、お知らせという掲示板のような場所に格納されます。利用者の方々は、この予定表を見てご自身のその日の訓練内容を確認したり、一ヶ月の流れを把握したりします。つまり、センターでの日々の活動の基盤となる、非常に重要な書類なのです。そのため、作成担当者には大きな責任が伴いますが、その分、やりがいも大きい活動と言うことができます。
求められるスキル:正確さとスピードの両立
この月間スケジュール作成の係活動で特に重要になるのが、「正確さ」と「スピード」です。
まず「正確さ」についてです。スケジュールを作成するためには、様々な情報源から必要な情報を集めなければなりません。利用者さん個別の訓練計画書、スタッフが管理する面談予定表、各講座の実施日など、参照する資料は多岐にわたります。これらの情報をもとに、日付や曜日、時間、訓練内容などを転記していくのですが、一つでも間違いがあると、利用者さんやスタッフの予定に混乱をきたしてしまう可能性があります。「午前中の講座が、午後にあるものと勘違いしていた」「面談の日を一日間違えて覚えていた」といった事態を防ぐためにも、入力した内容が正しいか、何度も見直しを行う必要があります。数字や漢字、カタカナなど、細かい部分まで丁寧に確認する注意力と集中力が試される作業です。
次に「スピード」です。月間スケジュールは、当然ながら提出期限があります。そのため、「〇日までに完成させる」という納期、つまり締め切りが設定されています。情報を集め、データを入力し、何度もチェックを行うという一連の作業を、限られた時間の中で計画的に進めていかなければなりません。どの作業にどれくらいの時間がかかるかを見積もり、段取りを組んで効率よく進める時間管理能力も求められます。正確でありながら、スピーディーに。これは、実際の職場で発生する多くの業務に共通して求められる重要な要素です。
訓練を通じて身につく力
この係活動に取り組むことで、就職後に役立つ様々なスキルを総合的に身につけることができます。
代表的なものとして、Excelの操作スキルが挙げられます。スケジュール表の作成には、表計算ソフトであるExcelを使用します。表の枠組みを作成したり、セルを結合して見やすくしたり、文字の色や大きさを変えて重要な部分を強調したりと、基本的な操作はもちろんのこと、回数を重ねるごとに、より効率的な入力方法や見栄えの良いレイアウトなどを工夫するようになります。最初はExcel操作に苦手意識があった方でも、この係活動を通して実践的に学ぶことで、自信をつけていくことができます。
また、先述の通り、細かな部分まで間違いがないかを確認する作業を繰り返すことで、注意力や集中力が着実に向上していきます。これは、事務職におけるデータ入力や書類チェック、製造業における検品作業など、正確性が求められるあらゆる仕事で活かすことのできる力です。
さらに、作業を進める中で不明な点や判断に迷うことが出てきた際には、自分で抱え込まずにスタッフに質問したり、確認したりする必要があります。これは、職場における「報告・連絡・相談」、いわゆる「報連相」の良い実践訓練となります。
このように、「月間スケジュール作成」は、パソコンスキル、注意力、時間管理能力、コミュニケーション能力といった、働く上で不可欠な力を複合的に鍛えることができる、非常に有意義なトレーニングです。
チャレンジドジャパン北上センターでは、今回ご紹介した係活動の他にも、一人ひとりの特性や目標に合わせたプログラムを用意しています。ご興味をお持ちいただけましたら、ぜひ一度、見学や体験にお越しください。スタッフ一同、心よりお待ちしております。