fbpx

チャレンジドジャパン・ニュース

News

コーポレート

その声かけが合図!アナウンス係で時間管理を身につける

時間を意識する訓練、アナウンス係の役割とは

チャレンジドジャパンでは、日々の訓練の一環として、利用者さんに様々な「係活動」をお願いしています。清掃係や備品管理係など、事業所という小さな社会を円滑に運営するために、皆で協力して役割を担っています。今回はその中から「アナウンス係」という活動に焦点を当てて、その目的や得られる効果についてお話ししたいと思います。

皆さんは、何かの作業に集中していると、つい時間を忘れてしまうことはありませんか。特に、自分の得意なことや好きな作業に取り組んでいると、驚くほど時間が経っていた、という経験は誰にでもあるかもしれません。また、作業の「キリの良さ」を追求するあまり、「ここまで終わらせてから休憩しよう」「このファイルが完成するまでは席を立たない」と考えてしまうこともあるでしょう。

一つのことに深く集中できる能力(過集中)や、物事を完璧にやり遂げたいという気持ちは、それ自体が素晴らしい強みです。しかし、実際の職場ではどうでしょうか。もし、時間を全く気にせずに自分の作業だけに没頭してしまうと、チーム全体のスケジュールに遅れが生じたり、会議の時間に間に合わなかったり、他の人との連携がうまくいかなくなったりする可能性があります。仕事は多くの場合、自分一人で完結するものではなく、様々な人と時間を共有し、協力しながら進めていくものだからです。

そこで、私たちの事業所で導入しているのが「アナウンス係」です。この係の役割は、訓練開始終了の合図、プログラムの切り替え時間の案内など、事業所全体の時間管理に関わる声かけを行うことです。一見すると単純な役割に思えるかもしれませんが、実はここには就職後に役立つ、たくさんの重要な訓練要素が詰まっています。

アナウンス係がもたらす成長と気づき

アナウンス係を担当することで得られる最も大きな効果は、スケジュールを強く意識して作業を進める習慣が身につくことです。アナウンス係は、決められた時間に、自分の作業を一度中断してでも、フロア全体に声かけをしなければなりません。例えば、パソコンでのデータ入力作業に集中していても、「12時になったら、お昼休憩のアナウンスをする」というタスクが常に頭の片隅にあります。これにより、「キリの良さ」よりも「決められた時間」を優先して行動する、という感覚を身体で覚えることができます。これは、納期や締め切りを守ることが求められる社会人にとって、不可欠なスキルです。

また、この活動は優れたマルチタスクの訓練にもなります。自分のメインの訓練課題を進めながら、同時に時計を気にかけ、アナウンスのタイミングを計る。これは、主たる業務を行いながら、電話応対をしたり、来客対応をしたりといった、実際の職場で頻繁に発生する状況のシミュレーションになります。一つのことだけに集中するのではなく、複数の事柄に注意を払い、優先順位を判断しながら行動する力を養う絶好の機会となるのです。

さらに、アナウンス係を担うことで、責任感が育まれます。もしアナウンスを忘れてしまうと、みんなの休憩時間がずれてしまったり、午後のプログラムの開始が遅れたりと、他の利用者さん全員に影響が出てしまいます。「自分の役割が、全体の動きを左右する」という経験は、「自分がやらなければ」という当事者意識、つまり責任感を芽生えさせます。報告・連絡・相談の重要性を実感し、自分の仕事に対して主体的に取り組む姿勢を身につける上で、非常に価値のある経験です。

このように、アナウンス係という日々の小さな活動の中にも、社会で働く上で必要なスキルを身につけるためのヒントがたくさん隠されています。

見学・体験で事業所の雰囲気を感じてみませんか

チャレンジドジャパンでは、今回ご紹介したアナウンス係以外にも、一人ひとりの特性や目標に合わせた様々な訓練プログラムを用意しています。もし、私たちの事業所の活動に少しでも興味をお持ちいただけましたら、ぜひ一度、見学や体験にお越しください。実際の訓練の様子や事業所の雰囲気をご自身の目で確かめていただくことが、次の一歩を踏み出すきっかけになるかもしれません。スタッフ一同、心よりお待ちしております。